ホームインスペクションを行う方が増えています

2024.12.24

「ホームインスペクション」という言葉をご存知ですか? ホームインスペクションは「住宅診断」のことで、建築士など住宅の設計や施工に詳しい専門家が建物の劣化状況や欠陥の有無、修繕の必要な箇所や時期などを調査・確認し、報告書を作成してアドバイスを行うものです。最近、住宅の売買時や、リフォーム前に行う方が増えてきました。そこで今回はホームインスペクションについてお伝えしたいと思います。

 

ホームインスペクションを行う理由

 

これまで日本では新築住宅が好まれてきたため、中古住宅のシェアがとても低い状況にありました。しかしこれが、近年、取り沙汰されている空き家問題の大きな要因になっていることから、国はホームインスペクションによって中古住宅への不安を解消し、中古住宅流通の活性化を図ろうとしています。

 

そこで2016年に宅地建物取引業法が改正され、2018年4月から中古住宅の取引では、インスペクションの実施状況の告知が義務付けられるようになりました。

 

これにより、売主や買主との媒介契約時(媒介契約書)、売買契約締結前の重要事項説明書の説明時、売買契約書の締結時の3つのタイミングで、不動産会社は「インスペクションについての説明」「インスペクションが実施済みか未実施か」「インスペクション事業者を紹介・斡旋できるか」について明確に告知することになりました。

 

現在は「告知の義務化」であって、インスペクション実施が義務化されたわけではありません。しかし今後、インスペクションの普及が進んでいくと、「実施済」「未実施」という点も中古物件購入の大きな判断基準になっていくと考えられます。

 

建物のコンディションや問題がないかを調べることで安心して取引を行うことができ、また診断結果がきちんと書面で報告されることにより、売却後のトラブルを未然に防ぐことにもつながるため、自宅を売る前にホームインスペクションを実施する方も増えています。

 

ホームインスペクションの流れ

 

ホームインスペクションの実施を決めたら、専門の業者に依頼します。ホームインスペクションを行う専門家をホームインスペクター(住宅診断士)と言い、設計や施工など建築関連の方が多いのですが、民間のインスペクター資格所持者もいます。そのため正直いって、設計や施工・維持管理などの実務経験がどれくらいあるかによって、能力に大きく差が出ます。知識や経験がない人の診断ではホームインスペクションの意味がありませんので、費用面だけでなく、ホームインスペクターとしての経験年数や建築士の資格を持っているかなども確認して、業者選定することをおすすめします。相場よりだいぶ格安な業者は注意した方がいいかもしれません。

 

業者を決めたら問い合わせを入れ、診断内容の確認や料金の見積もりを取りましょう。申し込みをしてから実施までは1週間~10日程度、ホームインスペクションの実施時間は診断箇所にもよりますが、通常2~4時間くらいだと思います。診断後はその場で結果が伝えられ、報告書は後日郵送されるケースが多いです。

 

ホームインスペクションで診断する内容

 

ホームインスペクションの診断項目は多岐にわたりますが、大きく分けて「外回りの状態」「室内」「床下」「屋根裏・天井裏」「設備」となっていて、それぞれ目視で「劣化による亀裂や傾きがないか」「雨漏りはしていないか」「シロアリ被害はないか」「さびや腐食・欠損はないか」といった細かな点が確認されます。診断結果は項目ごとに、劣化の有・無や有った場合にどの程度のものなのか記載された報告書にまとめられます。

 

まとめ

 

費用はかかりますが、売却前にホームインスペクションを実施することで「安心・安全」という付加価値が付けられると、売れやすくなる、相場より高く売れるといった可能性にもつながりますし、引き渡し後のトラブルも防止することができます。

 

ホームインスペクションを行った結果、劣化や不具合などが明らかになる場合もありますが、事前に把握することで改善してから売り出した方が良いのか、買主に伝えて改善にかかる費用を引いて売るのか、 売り出し価格や販売活動の方針も変わってきます。

 

最近ではホームインスペクションについての認知や普及が進み、今後はさらに行う方も増えていくと思います。欧米のように「インスペクションを行うのが常識」という風になっていくかもしれませんね。ホームインスペクションについてさらに詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にお問合せください。

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